■2017年09月04日(月)00:00
新宿VR ZONE体験・PSVRとHTC VIVEの使用感の比較 その2
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本日、新宿に出来たばかりのバンダムのアミューズメント施設、VR ZONEを体験してきました。 VRについてはまだ未体験の人も多いと思いますし、うちにはPS4のPSVRがあるのですが、それと比較としてどの程度体験の差があったのかなどをも含めて簡単に感想を書いてみたいと思います。
…という書き出してさっき記事を書いたのですが、あまりに長くなったので2つに分けました。なので、お時間のある方は、一個下の日記から御覧ください。そちらでは「PSVR」と「HTC VIVE」のVRグラスの見え方や、装着感の違いなどについて書きました。
そして、こちらの記事では、実際にVR ZONEで体験したアトラクションの感想を書きたいと思います。ちなみに5つのアトラクションを体験しました。
チケット価格は1dayチケットの場合、入場料800円と、アトラクション用チケット4種各900円で、合計4,400円です。アトラクションはセットで買うと1体験につき900円ですが、バラ売りの単発チケットでは1,200円になります。…結構高いですね。
・エヴァンゲリオンVR 魂の座
かなり人気コンテンツで、予約でチケットを買った人しか施設内に入れない(つまり、実質的な入場者数制限をかけている)にもかかわらず、60分待ちでした。そしてゲームの体験時間は5分程度。
内容はエヴァのコクピットに登場し、プレイヤー最大3人で協力し、使徒と戦うゲーム。 操作は両手のレバーで前後左右に移動。首振りで照準操作。右トリガーで武器の使用(これはホールドで連射可能)。マップ内にある格納ビルに近づいて左トリガーで武器の交換。武器には弾数制限があるので、交換はいつかは絶対にしないといけない。
搭乗する椅子はちゃんとエヴァのコクピットと同じデザインで、アニメ通りのスタイルで座れる。そして冒頭に発進シークエンスあり。エントリープラグにLCLが満たされる演出もきちんとしていて、なかなか良い。座っている椅子は機体の振動に合わせて揺れるので、VR映像と合わせて没入感がある。
ただし、揺れそのものはアトラクションとしては控えめだし、効果音が流れるヘッドフォンの音量も控えめで、ゲーム中の順番待ち列の人の話し声が聞こえるのは少し残念。この辺は大揺れ、大音量でもっと攻めてほしい。映画館の4DXの椅子のほうがもっと揺れるし、音も大きい。
ゲーム自体の内容は、ただ撃つだけで結構平凡。これがVRでなかったり、椅子が揺れなかったら全く楽しくはないだろう。でも、アミューズメント施設のゲームならこんなもんでいいとは思う。友人2人で挑んだが、使徒には負けてしまった。難易度はそこそこある模様。
すごく良いというわけでもないけど、揺れる椅子とVRのシンクロは家では出来ないし、エヴァに搭乗した感は楽しめたのでまぁまぁ満足かな…?
・アーガイルシフト
こちらもエヴァと同じコクピットで戦うロボゲーなので、やることはほぼ同じなのだけど、ナビゲーションのキャラとして、ポリゴンの可愛い女の子が一緒に乗ってくれるので、断然お得感がある。ギャルゲーとロボゲーが同時に体験できる! それなのに人気がないのか15分待ちで乗れてしまった。そしてプレイ時間はエヴァと同じ5分程度。
操作は首振りで照準移動。左右のトリガーで武器発射。エヴァと違い、機体の移動は自動だし、武器の弾切れもないので、より簡単になっている。そのかわり、後半敵の攻撃を連続で回避しなければいけないシーンが有り、実際に上半身を左右に振って回避することになる。ここがよく出来ていた。
ゲームとしてはこちらがエヴァより断然楽しい。でも、楽しい理由の大半は順番待ちがないことと、女の子が可愛かったからなのかもしれない…。女の子自体はPS2時代のローポリだが、VRグラスの解像度を考えるとこのデザインでいいと思う。どうせ細かく&リアルに作ってもVRではドットが荒くてちゃんと見えない。サマーレッスンより好きかも。
それに画質が多少荒くても、サイズ感はリアルであり、そのリアルサイズの女の子のおっぱいやお尻を眺められる嬉しさは、体験したものにしかわからない喜びである。なにより、ガンダムやエヴァといった既存のコンテンツに頼らず、いちから世界観、ロボット、女の子を作り上げているクリエイティブな部分や、バンダイナムコらしい雰囲気を感じ取れる部分が個人的に好感触。
しかし、なんとストーリーの途中で終わってしまうので消化不良感はある。…が、体験時間はエヴァと変わらないし、続きの話は今後作る気があるんだろうし、割と好意的に受け止められた。ただし、エヴァと同じく効果音が流れるヘッドフォンの音が控えめ。これはVRでは大事なことなので、もっと音量を上げてほしい。
個人的にはおすすめコンテンツ。 ギャルゲーだけど恥ずかしがらずにやってほしい。
・高所恐怖SHOW
高層ビルで屋上に行き、狭い木の板を歩いて、板の先端にいる猫を抱えて戻ってくる…。というミッションを体験するアトラクション。とても地味。45分待ちだった。体験時間は人それぞれ。2分〜10分程度。
とても地味と書いたが、VRを体験するなら是非やるべきコンテンツ。理由を列挙すればきりがない。
・実際に歩いて、動き回って体験できる。 ・踏み外しても死なないが、本当に板の上を歩く。 ・現実の板と、ゲーム内のVRの画面に映る板の大きさ、長さが同期している。 ・両手両足にセンサーを装着するので、実際に自分の手や足がVRを内に存在する。 ・抱えて戻る猫も、ARセンサーが付いているオブジェなので実際に触れる。
これらの要素すべて、家庭用VRでは実現できないものばかり。 特にモーションセンサーは両手用というのは家庭用でもあるが、両足用はここにしかない。
やることはシンプルだが、そのためにセンサーをたくさん装着したり、動き回っても大丈夫なように一人につき一人のスタッフがつきっきりで命綱とコードを取り回してくれたり、手間を非常にかけてくれる。
実際やってみるとなかなか怖くて良い。景色がいかにもゲーム臭くリアルではないが、それでも自分で本当に歩くというのは効果的な体験となる。実際、順番待ちの最中に見た一人の女性は、怖さのあまり本当に泣き出してリタイアしてしまった。これは高いところが苦手な人は他人事ではないだろう。
自分はといえば、もともと高いところは割と平気なのだが、かといってすぐにクリアしても勿体無いので、じっくり景色を見つつゆっくりとクリアした。とはいえ、板から足を踏み外さないようにするのはそれなりに苦労した。
少し残念なことに、キャリブレーションが不十分で、実際の板とVR内の板の位置が、数センチズレていることが足の感触から感じ取れてしまったが、一人ひとり微調整をする時間もないし、これは許容範囲と思うことにした。
これも個人的にはおすすめコンテンツ。
・ガンダムVR ダイバ強襲
実は一番人気がないコンテンツで。待ち時間は常に0分という悲しいコンテンツ。
しかし、実際にはそんなに残念な内容でもない。…まぁ、ガンダム好きじゃないとやりたいとは思わないだろうし、かといってガンダム好きならコクピットに乗りたいと思うだろうし、どうにも需要がよく分からない作品だからか。体験時間はこれも5分程度。…どのコンテンツも5分前後という感じなのかな?
内容はお台場のガンダムに向かってザクが襲い掛かってくるところから始まり、続いてガンダムも動き出し、2機が戦ってくれるのを眺めるというもの。自分自身はガンダムの左手の指に捕まって、アムロに守られながら観戦する。ゲーム要素はない。ちなみにお台場のガンダムがベースなので、カトキデザインのガンダムとなる。
このコンテンツの良いところは、ガンダムのサイズ感をリアルに体験できることと、ガンダムのビームサーベルとザクのヒートホークがつばぜり合いをしたときに、その揺れと、その熱が体験できること。椅子の近くにヒーターがあり、VRの内容に連動して、体験者の体に熱を送るようになっている。
揺れはそこそこあったが、熱がもうちょっと強くてもいいかなぁと思った。それからやはりヘッドフォンの音量が控えめ。そこはもっと攻めていいのに…。
待ち時間がないことを考慮すればそれなりにオススメ。
・恐竜サバイバル体験 絶望ジャングル
本日最後の体験。内容はセグウェイの早いのみたいな立ち乗りの乗り物に乗って、恐竜から逃げ回り、脱出用のヘリを目指すというもの。待ち時間は45分。ただしこっちをエヴァより先に並んでいたら60分だった。体験時間はブリーフィング含めれば、やはり5分程度。
操作方法は立った状態でハンドルを掴み、前に倒すと前進、後ろに倒せば後退、左右に振ると旋回。逃げ回る以外の行動はできない。制限時間は3分で、時間切れはゲームオーバー。時間内でもダメージを食らいすぎればそこで終わり、というもの。
4人同時プレイで、今日体験した中ではこれとエヴァだけが複数人でプレするゲームだった。しかし、逃げ回るだけなのでこちらは協力要素はない。出来たとして、せいぜい他人が襲われる姿を眺める程度か…。
操作はなかなか快適で面白い。ハンドル操作以外にも、障害物やトンネルをクリアするために、体制を低くして屈んで通る必要があったり、全身を使うような作りになっている。ただし、軽快に逃げ回り、狭い一本橋を渡っていると、正面から恐竜が。すぐさま後ろに後退して離脱しようとしたら、後ろから挟み撃ちに。しかも敵をすり抜けることが出来ないらしく、そのまま死ぬまでずっと何も出来ずダメージを食らい続け死亡。いわゆる「ハメ」が存在するゲームだった…。この辺は非常に残念だった。
ゲーム自体にそもそも難があるのは気になるが、体験としてはなかなか面白いとは思った。しかし個人的にはハメ殺しは不愉快だったので、あまり褒めたくはない気分に…。あとヘッドフォンの音量が…(以下略)。
皆さんが体験するときは、俺のように一本橋のような狭い地形は通らないことをおすすめします。そこに気をつければ楽しい作品だと思います。
…というわけで、本日の体験5本は以上。
本当はハネチャリやマリオカートもやりたかったのですが、ハネチャリが120分待ち(一番人気)、マリオカートが90分待ち(二番人気)となっており、流石に諦めました。特にハネチャリは高所恐怖SHOWとならび、VRの特性をよく利用した作品だと思ったので、体験できなかったのは残念。
しかし、ガンダムやドラゴンボールには釣られずに、ハネチャリが一番人気とは、ユーザー側もVRをよく理解しているなと思いました。
では、最後にVR ZONEの全体的な感想を書いて終わりにします。
・価格設定
1アトラクションあたり900円 or 1,200円が高いか安いは、…難しいなと思いました。
正直払う側としては高いのですが、1アトラクションあたり5分と言うのは短いとはいえ、遊園地のジェットコースターとかと比べたら長いです。しかも一度に数人しか案内できない。店側の回転率でいえばすこぶる良くない。それにメガネの付け外しはお客さんの視界を奪うので気を使います。高所恐怖SHOWでは一緒に付き添ったり、コードを避けさせたり、手間がかかります。
なのでこれは、良くも悪くもない、と評価することにしました。価値は人それぞれですので、VRに興味があまりない人にはおすすめできないし、興味がある人は一度はやるべきかなという所ですね。
・ヘッドフォンの音量や揺れなどの特殊効果
この辺は正直もうちょっと攻めてくれと思いました。今日は未体験のホラー系のコンテンツもありますが、もし今日体験したコンテンツと同じような音量や揺れだとすると、少し残念です。まぁこれは、まだVR自体の歴史が浅いので、及び腰で作ってる部分が多いのでしょう。でも、遊園地くらいの揺れや音量を目指しても良いはずです。
自分の家にPSVRがありますが、もっと音量は上がります。そしてVRの音量は、外部の音が聞こえないくらいまで上げないと没入感が出ないのです。
・順番待ちについて
これに関してはちょっと気に入らないです。現在は、入場者を制限するために当日券の販売をなしにして、ネット予約のチケットだけにしているのです。しかもそのチケットは入場の時間指定付き。指定した1時間のうちにしか入れないようになっているのです。
だからどのくらいの列になるかは、どの時間に、何枚チケットを売っているかに依存している。運営サイドで制御している。それなのに最大2時間待ちのコンテンツが出来てしまう。…ガンダムは0分ですがw
乗りたいものに乗れない。ここはもう少し改善してほしい。 わざとでしょうが・・・。
と、最後に不満も書きましたが、全体的にはなかなか楽しい体験でした。
4,400円は決して安くはないし、不満点も多い。しかしVRは今後どんどん流行ると思うジャンルの遊び。自分で買うとなれば10万前後の出費は覚悟しなければいけない。しかも家庭用は椅子は揺れないし、コクピットもない。そう考えれば、とりあえずの体験で一度くらいは行くのも良いのではないかと思います。
この記事が、皆さんの何かの参考になれば幸いです。 | | |