DAWYの日記

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■2015年09月27日(日)18:28  ふたけっと11.5
ふたけっと一応出るつもりです。

ただし、新刊用意する暇がないかも。当日も休みではないので仕事と被る可能性大。というわけで、かなり怪しい状況です。まぁ、近くなったら何らかの情報は出すけど、期待はできないかも。既刊だけでも持ち込んで、あまり売れ行きが出ないサンタちゃんをちょっとでも捌きたいなぁとは思ってます。

…冬になんとか本を出せたらいいなぁ。

■2015年09月18日(金)10:10  漫画でよく使うフォントの話
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俺は原稿を書くときはいろんなフォントを分けて使うんだけど、フォントって、人によってはあまり気にしない人も居る世界。今日は、そんな中からお気に入りのフォントと、それに近いフォントを紹介してみる。フォントは漫画だけじゃなくて、プレゼンの資料作りとか広告でも使える話なので、興味があれば読んでみてください。

ではまず、そもそもなぜいろんなフォントを分けて使う必要性があるのか? これについてはよく解説しているサイトがあったので、読んでみることをオススメする。フォントに興味が無い人はピンと来ないかもしれないし、ピンと来ない場合、今日の日記はここまでにしたほうがいいかも…。

・書体の選び方
http://tsutawarudesign.web.fc2.com/yomiyasuku1.html

では、書体の選び方が分かったところで、それを踏まえてお気に入りのフォントを紹介します。


■アンチック書体

アンチック書体とは何か? フォントは大きく分けてゴシックと明朝の2種類があるけど、漫画のセリフ文字は、ひらがなは太めの明朝体、漢字はゴシック体で組み合わせて表現するお約束がある。それがアンチック書体。これがないと正直漫画は始まらないでしょっていうくらい基本も基本。アンチックは縦書き文字で短いものが読みやすいようにできている。でも、パソコンには最初からアンチック体は一つも入っていないので、何処からか持ってくる必要性がある。

・コミスタGA(昔のコミスタにバンドル)

旧コミックスタジオを買うとついてきたフォント。コミスタが出た当時は、無料のアンチック書体がなかったので、すんごいありがたい書体。フォントは一つで1万円近くするものも多いので、当時は、正直この書体だけでもコミスタ買う価値が有ったんじゃないかな? 今となっては少し古臭いデザインだけど、ぜんぜん使える、いかにも漫画らしいフォント。

・イワタアンチック(クリスタにバンドル)

単品でも買えるけど、なんとクリスタを買うとついてくる。コミスタのGAの代わりに最近バンドルされているフォント。これを手に入れるためにクリスタを買う価値が有るか? 当然! むしろPROならクリスタのほうが安い! 一応GAの上位互換だけど、ひらがなの視認性があがっているけど、ちょっと漢字が太い気がする。まぁ、どっちでも十分使えます。外字に漫画でよく見る〜〜〜がずっと途切れず繋がる連続ナミ線があるので便利。
http://www.iwatafont.co.jp/font/anti.html

・やさしさアンチック(フリーフォント)

最近はアンチックでもフリーフォントが使えて嬉しい限り。フリーでも幾つか選択肢はあるけど、これは特に視認性がよく、未来っぽい感じがするフォント。全体的に他のアンチックより太さが均一で丸い印象なので、シリアスな作品には少し向かない。逆にファンシーな作品には向いている。が、微々たる差なので、コミスタやイラスタ持ってない人はこれ一本で全然OKだろう。
http://www.fontna.com/blog/1122/

・ヒラギノ明朝+ゴシック(有料)

実はヒラギノにアンチックはないのですが、ひらがなに明朝W7を使い、漢字にゴシックW5を使って組み合わせて無理やり表現したもの。高級なフォントなので高級なイメージでセリフが表現できる。昔はこれしか手段がなかったので、うちは泣く泣く導入したのだった…。いちいちめんどくさく思えるかもしれないけど、今はクリスタでは漢字と平仮名を別の書体でプリセットできるので、全然そんなこともない。俺の同人誌は昔からずっとこれ。

正直アンチックはこれのうちどれか一個でも持っていれば十分ではある。


■太いゴシック

見出しや叫びセリフなど、使いドコロも多いけど、今はフリーでもたくさん存在していて選択肢の多いフォント。MSゴシックではこの太さは出ないぞ。

・創英角ゴシック(有料)

今となってはあえて買ってまで使わないかもしれない。ただ、基本的にはこんなフォントですよということで紹介。

・ヒラギノ角ゴシック(有料かMacに一部バンドル)

Macユーザーならそのまま使えるけど、Windowsユーザーがわざわざ買ってまで使うこともないフォント。でもヒラギノは美しいのよね。いまだと他の選択肢もあるので…。

・源真ゴシック(フリー)

源真ゴシックとは、最近話題になった「源ノ角ゴシック」というフリーフォントのピッチをTrueTypeに調整したもの。サイズも様々で、正直コレがあったら、細いタイプでWEB観覧用やギャルゲー用に使って、太い奴はマンガや資料の見出しに使って…という感じで、なんでもできちゃう。ブラウザの標準フォントでも使えそうなので是非入れておきたい。新しいフォントなので形もおしゃれ。ユニバーサルデザインなので読みやすい。源柔ゴシックと合わせて導入したい。
http://jikasei.me/font/genshin/ http://jikasei.me/font/genjyuu/

・サイン中角ゴシック(有料)

有料フォントなので敷居が高いが、力強く訴える良いデザインのフォント。セリフ用というより、資料の見出し用にいい感じ。源ノ角など他のゴシックより視認性が高く目立つ。可読性は若干下がるが。
http://designpocket.jp/dl_font_category/detail.aspx?bid=3071


■ポップ書体

見出し文字では最も使いドコロが多いフォントで、印刷物、広告、漫画でもとにかく出番が多い。

・創英角ポップ体(有料)

何かとネタにされ、フォント界でも特に有名。見出しや広告では多分最も多く使われ、最もダサいフォントでもある。ただし太ゴシックなので遠くからも見やすく、また、デザインが親しみがあり攻撃的な印象がない等、おおよそ広告に求める文字の要素をすべて兼ね備えている素晴らしいフォントでもある。封印するのはもったいない。使いドコロを見極めてダサくないように配置しよう。漫画のセリフでも使いやすいフォントで、快楽に溺れたキャラが「あああああ気持ちいいよおォ…!」等と艶っぽく叫んでる時などに使える。買うと高いけど、持っていれば絶対出番があるフォント。
http://designpocket.jp/dl_font_category/detail.aspx?bid=12875

・けいふぉんと(フリー)

創英角ポップ体の代替として個人的に注目している。使いドコロが近い。源真ゴシックのひらがな部分をけいおんタイトル風のポップ体に変更したフォント。元ネタのけいおん関係なくポップ体として使いやすい。新しいフォントなのでデザインもおしゃれ。ダサくない!
http://font.sumomo.ne.jp/font_1.html


■明朝体

主に教科書や小説の本文でよく見るフォントだが、それ以外の場所では意外に出番が無い。歴史ある美しい書体だが、ディスプレイ表示との相性が悪いという最大の欠点を持つ。

・MS明朝(windowsバンドル)

windowsに最初から入っている基本フォント。別に悪くないんだけど、IPA明朝(フリー)とかみたいな上位互換もあるので、それに変えたほうが良い。ただ、結局あまり出番が無い。漫画に使うにはちょっと細いのだ。小説には向いてるけどあくまで印刷物の場合で、WEB用には全然向いてない。

・ヒラギノ明朝W5(有料)

MS明朝の超上位互換で綺麗な普通の明朝体。あまり出番もないのだが、漫画だと心のセリフや、つぶやきセリフに使える。漫画だと普通サイズの明朝だとちょっと細いのでW4かW5あたりを使うのがオススメ。それ以上だと太すぎるし、それ以下だと細すぎてダメ。かと言ってヒラギノ以外でこのサイズの明朝はない。このサイズはマックにも入ってない。だけど買うとクソ高い。問題は入手難易度。うちの同人誌では出番が多いフォント。無理なら後述する細ゴシック系で代用しよう。
http://www.screen.co.jp/ga_product/sento/sample/hirm.html


■細いゴシック体

ディスプレイで見るなら明朝よりこっちの細ゴシック。印刷物でも読みやすいので、読み物の本文では一番使えるフォントになる。だがMSゴシックはいけない。

・MSゴシック(windowsバンドル)

windows標準のシステムフォントで、PCでは最も使われてるフォント。PCのブラウザも基本的にこれで観ることになる。だけど今は代替の上位フォントがたくさんあり、いいところは何もない。とにかくすぐに別のフォントに変えよう!

・SH G30(LCフォント)(SHARP製品にバンドル・フリー)

シャープが開発した液晶用フォント、LCフォント。それをPC用に移植したのがSH G30。LCフォントについてはこちらを見てくれれば分かる。http://www.sharp.co.jp/products/lcd/glossary/lcfont.html 要するに、低解像度のディスプレイに向けて作られたユニバーサルデザインのフォントで、PCで使った場合はMSゴシックの上位互換になる。漫画や広告に使っても、とても見やすいフォントでよくお世話になる。例えば漫画のあとがきや説明書きで使え、文字を小さくたくさん敷き詰めて書いても読みやすいという利点がある。WEB観覧用のフォントとしても優秀。アスキーアートがずれない。ギャルゲーでフォントが変えれるなら読むのにオススメ。フリーで使える。
http://smart-pda.net/tips/font/

・メイリオke(Vista以降のWindows・フリー)

マイクロソフトがシャープのLCフォントを目指して作った(と思われる)ユニバーサルデザインのフォントがメイリオ。クリアタイプにも対応している。Windows Vista以降のWindowsに標準搭載されている。そして、それを改造したのがメイリオkeだ。keは、標準のメイリオの文字ピッチがおかしいのでそれを修正したもので、正直、keじゃないと使いものにならない。メイリオにパッチを当てないと作れないので一手間かかるが、WEB観覧用も、UI用も作れるので、システムフォントをまるごとメイリオに入れ替えることが出来る。アスキーアートもずれない。SH G30の上位互換ではあるが、SH G30よりデザインの癖が大きいので好みが分かれる。使うときはクリアタイプのオプションをオンにするのを忘れずに。
http://www.geocities.jp/meir000/meiryoKe/

・源真ゴシック(フリー)

太ゴシックで説明したフォント。こいつは太さが選べるので細い方をつかえば細ゴシックとなる。ユニバーサルデザインなので、見やすく、SH G30やメイリオkeと同様に印刷物でも使いやすい上位互換。WEB観覧にはライトあたりの太さがいいか。しかしUIフォントはメイリオKeのほうが良いかも。デザイン的にも一番かっこいい。ゴシック体だが細めのフォントなら明朝体の代替に使える。(同じ効果を狙える)


■その他のオススメフォント

いろいろ挙げるときりがないけど、漫画でよく使うやつを紹介する。

・C&Gブーケ(有料)

広告や資料では洒落た見出し文字にも使え、漫画では艶っぽいセリフ(「はぁ…はぁ…」などの喘ぎ等)に使える。出番がかなり多いけど、フリーでないのが辛いところ。持っていれば絶対に出番があるフォント。
http://www.fontfactory.jp/font/detail/cgbqb/

・コミスタGT(昔のコミスタにバンドル)

昔のコミスタのみにバンドルされているフォントで、有料のタイポスというフォントに似せたフォント。ジャンプ漫画でもよく見かける。高いフォントなので、これを手に入れるだけでコミスタを買う意義があると言い切れる。ちなみにクリップスタジオにはこれに当たるフォントがバンドルされない。劣化である。コミスタでも、発売時期によってはバンドルされてない場合もあるとか。今からコミスタを買う人は注意。調べて買おう。個人的には必須フォント。リンク先はタイポスのプレビュー画像。
http://www.akibatec.net/wabunfont/library/typebank/kanjitypos.gif

・TBレタリック-B(有料)

タイポスの代わりに使えそうな似たフォント。タイポスよりは安いし、持っていればかなり使えると思う。
http://designpocket.jp/dl_font_category/detail.aspx?bid=12506

・ロゴたいぷゴシック(フリー)

C&Gブーケ、コミスタGT、TBレタリック-B、どれも手が出ねーよクソが! って言う人向けのお洒落フォント。上記3つの代替に使えるフリーフォント。デザインはどれとも違うが、印象としては似た効果が狙える。上記フォントの妥協として使うにも良いが、このフォント自体も別の魅力を持っているので、代替なんて考えないでも普通に入れておこう。いいフォントだ。出番は多いぞ。
http://www.fontna.com/blog/1226/



・古印体(有料)

バリエーションがいろいろあるけど一個でも持ってるとすごく便利なフォント。ギャグ漫画でネガティブな台詞を書くときに見かける定番フォントで、やっぱり持っていれば絶対に使うフォント。「DynaFont まんが8書体」等のセットで買うと安く手に入る。 http://www.dynacw.co.jp/dynafont/tabid/240/serviceid/1931/Default.aspx ちょっとお金はかかるけど是非。
http://akibatec.net/wabunfont/category/kointai.html


その他フリーフォントで、「はらませにゃんこ」、「キルゴ」あたりは優秀で使いやすいのでおさえておくといいかも。

他にも色いろあるんだけど、あとはエフェクト用というか、一発モノが多い印象。今回は普段使いのできる、基本的なものだけを紹介したつもり。…とはいえ、フォントに興味が無い人には、これでもすごい数に見えるかもしれないね。

■2015年09月09日(水)02:48  電子書籍は買いか?
なんか最近、日記をよく書きます。まぁすぐ飽きるでしょうがw

ところで電子書籍ですが、皆さん読んでますか? 日本人的感覚で言えば、紙のほうがいいという派が多いでしょう。しかし、持ち運びや、収納に限りがある日本の住宅事情を加味すると、部分的にでも電子書籍を導入するのはありだと思います。俺も最近は電子で読めるものは電子で、というふうになりました。

そんなわけでアマゾンをよく利用しているというのもあって、数年前からキンドルで本を購入するようになりました。キンドルは一冊の本を一回の購入で、それをPCでもスマホでもタブレットでも読むことが出来ます。…俺はスマホは持っていませんが、PCと13インチのタブレットがあるので、家でも外でも読むのに不都合はありません。キンドルはどこまで読んだかをアカウントで管理しているので、例えば家で読んだ続きをタブレットで外で読もうとしても、自動的に続きのページから開くことが出来ます。これは地味に快適で、一番の問題だった収納の問題も解決し、やったぞと思っていたのですが…。

最初は良かったのです。しかし、電子書籍は問題もあって、暫くしてあまり読まなくなってしまいました。それは目の疲れです。特に漫画は吹き出しの文字は小説より小さくなるので、よく見るためには凝視しなければいけません。その上液晶画面のバックライトは眩しく、液晶の黒ベタの表現はインクと違い独特なので、すぐに目が痛くなってしまうのです。明るい場所ではバックライトに頼らなくてもいいのですが、明るい場所ではそもそも液晶は全く見えなくなる特性があります。

目の問題がどうにもならず、これは無理かなーと思っていたとこで救世主となったのが友人のすすめで知ることになった、液晶ではなくE-ink方式(電子ペーパー)のディスプレイでした。買ったのはキンドルペーパーホワイト2013という端末。これは液晶と違い、裏表を白と黒に塗られた球体をオセロのように反転して色を作ります。液晶のようにRGBのライトで色を作ってるわけではないので、紙とほぼ全く同じ見え方をするのです。明るい場所ではバックライトを切っでも全く問題なく、暗い場所でもかなり弱いバックライトで見ることが出来ます。その代わり、カラーページもモノクロでしか見れませんが。

でもこの端末は凄い。目の疲れ方が紙と変わりません。正直ぱっと見、ガラス板かアクリル板の下に、本物の紙の原稿が挟まってる。そんなふうに感じる見え方です。カラーは表現できませんが、カラーページは今までのようにPCやタブレットで確認すればいいので、それほど問題ではありません。長時間の読書だけ電子ペーパーを使えばいいというだけです。

電子ペーパー端末によって、読書ライフは劇的に良くなりました。ただし、いくつかの本を読んでいるうちに、また別の問題に直面しました。それは漫画の解像度の問題です。ちなみに小説や文字だけの本は全く問題ありません。文字だけの本の場合、文字はフォントデータで表現してくれるので、大きさを変えても文字がぼやけることはなく、見た目の質感も紙そのものということもあり、E-ink(電子ペーパー)なら、むしろ紙の本以上に疲れずに読めます。しかし漫画のページは文字部分も含めて一枚の画像なので、データの解像度が低ければ、ぼやけてしまうのです。

漫画の解像度はどのくらい必要なのか? 自分で色々自分の本のデータ等を使って試してみたところ、縦サイズ(長辺)、1600pix(タテ1600ドットということ)ほどあるとストレスなく読めると感じられました。1400pixでは吹き出し文字などはくっきり。ルビ等の小さい文字は少しぼやけるが、まぁ見えるレベル。1200pixでは吹き出し文字は少しぼやけるが読むぶんにはあまり問題なし。しかしルビなどより細かい字は判別が困難となり、手書きの小さい字は判別不可能。1000pix前後ともなると、吹き出しサイズの文字は一応読めますが、それが限界。画数の多い漢字はほぼ潰れます。ルビもなんとなくしか見えません。デジタル作成の原稿の小さい手書き文字は絶対に読めない。

で、キンドルのデータはどうなっているかというと、初期に電子化された漫画は大体縦(長辺)1024pixというものが多いです。これはその当時の端末の解像度にあわせてそうなっているようですが、これは失敗でしょう。比較的ここ数年の新しいデータだと縦1200pix〜1400pixというものも見られますが、結局全部ではないし、そもそも1200も1400もかなり改善されますが、最高とはいえません。なぜ将来のことを考えてもっと大きなサイズで作らなかったのか? 例え解像度の低い端末であっても、キンドルには拡大表示機能もあるので、高解像度データは無駄にはならなかったのに。これは、キンドルの最大の失策だと思います。

ページのデータサイズの話をしましたが、では見る側の環境。端末の方はどうでしょう。PCやスマホ、タブレットは機種にもよりますが、HDサイズだと仮定すると1080x1920となりますね。これだとデータサイズさえあれば、縦で単一ページ表示をすれば、縦が1920ありますので、データサイズが大きければ十分な解像度となります。しかし横に倒して見開き表示にすると、縦サイズは1080になるので、細かい字は判別が困難になり、時折、拡大表示が必要になります。そもそもキンドルの解像度はさっき書いた通り縦1024pixのものが多いので、どうしようもありません。

では電子ペーパーの端末はどうか? キンドルはグレードによって解像度が違いますが、俺の買ったペーパーホワイト2013では、縦サイズ1024pixとなっていました。これは1024pixのデータを等倍で表示できるので、一応気が利いてるとも言えるのですが、先ほど触れたとおり、もっと解像度がほしいのです。拡大機能を使ってもデータが1024だと、ぼやけたものが大きくなるだけで、使えない機能になっています。縦1200や1400サイズの漫画であれば、小さい部分だけ拡大機能を駆使して読むぶんにはそれなりに快適ですが、サクサク感はありません。せっかく目が疲れないという利点があるのにもったいないです。

さて、ところでキンドルペーパーホワイトには新バージョンが登場しました。2015版です。これはミドルクラスでありながら、キンドルボヤージという先に出たハイモデルと同じ縦1448pixという高解像度を持っているのです。気になったのでこちらも購入してみました。この端末だと、単一ページ表示では、ほぼどのデータでも最大の解像度で楽しめます。使ってみたところ、解像度の大きな漫画であればかなりの快適さを感じることが出来ました。

とはいえ、俺が必要と思っている縦1600pixにはデータも端末も若干足りていないし、そもそも端末自体が6インチしかないので、くっきり見えていても凝視する必要性があるのです。6インチって、そもそも漫画の単行本より小さいんです! くっきり見えるデータでも、なんか文庫サイズのマンガ本を読んでる時のような感じのストレスにはなっちゃうんですね。孤独のグルメの文庫版とか持ってる人なら分かるかな?

そんなわけでまとめると、まず小説や文字だけの本に関しては、キンドル(に限らず電子書籍リーダー)は、文字の大きさが自由に変えられるし、最高の読書アイテムだと思っています。目が疲れない体質の人であれば、PCやスマホ、タブレットで十分でしょうし、目の疲れが気になる人なら、E-inkの電子ペーパー端末は紙以上の快適さが手にはいります。6インチサイズも、片手でちょうど良いサイズで、小説ならば手頃です。

漫画は条件付きです。データが縦1024pix程度でも、大きな吹き出しばかりの漫画ならば結構読めます。例はカイジとかアオイホノオとかです。手書き原稿は書き文字も大きいので問題無いです。なので、少年誌や手書き青年誌は比較的いけます。絵の細かい萌え4コマとかになると1024pixはかなり厳しい。1200pix以上だと一応読める。このような細かい漫画は、発売時期が最近1,2年のデータでなければ、ぼやけを疑ったほうがいいです。古く作成されたデータほど低解像度が疑えるからです。つまり漫画で快適さを得るには、いろいろな条件が限定的で、買ってみるまでわからないギャンブルになります。

自分はキンドル専門なのですが、ebookjapanの電子書籍は比較的解像度が大きいらしいです。同じタイトルの本ならキンドルよりデータサイズが倍くらいあるそうなので、縦1400〜1600くらいはありそうな感じです。それらのデータをHDサイズのタブレットで縦単一ページ表示をすれば、快適に読むことが出来ます。ただし、キンドルの電子ペーパー端末は使えないので、目の弱い人は、液晶の目の疲れには悩むことになります。

そんなわけで長々と最後まで読んでくれた人が、果たして何人いるかわかりませんが、現状、電子書籍は小説なら最高。漫画は限定的な環境で快適になった。というふうに感じています。とはいえ、持ち運びがラクで、住宅事情にやさしい電子書籍は将来性がある分野だと思っています。特に電子ペーパー、E-inkに関しては、目が弱いおじさんの俺には有難い技術で、贔屓にしていきたいなと思います。

悪い所もいっぱい書きましたが、電子ペーパーはフォントで読める文章モノを読むには最高の端末で値段もペーパーホワイトなら1.4万程度。漫画も過度な期待さえなければ、一応それなりに読めるというわけで、使い方をわきまえれば現状でも「買い」だと思っています。

…ほんと、アマゾンのデータ作成係は反省して欲しいです。端末もデータも縦1600にし、画面サイズもコミックサイズに。そうしないと漫画派にはキンドルの普及は難しいでしょう。お願いしますよ?


↓画像は縦1024pixの萌え4コマ漫画のデータを拡大表示したところ。拡大終了のXボタンがぼやけていない(ピントは合っている)のに、セリフ枠の文字がここまでぼやける。ちなみに「潜望鏡」と書いてある。画像の漫画は「ちょっとかわいいアイアンメイデン」の1巻です。2巻以降は解像度が上がっていくので一応読めるまでには改善されています。こういうのは作者サイドにはどうしようもない問題なのです…。
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■2015年09月07日(月)03:41  ジュラシック
ジュラシックワールドを見に行ってきた。本国ではかなり興行収入出している作品とのことですが、つまらなくはないけど正直あまりオススメとはいえない出来でしたね。ただ、2時間飽きずに見れますし(これは大事)、金返せってほどではないので、シリーズファンならとりあえず見てみるのはいいと思います。

シナリオは雑です。娯楽映画なのである程度雑でも気にならないものですが、それでも許容範囲は出ちゃってるかなと。大人二人と子供二人のそれぞれの視点があるダブル主人公コンビなのですが、それぞれのドラマの掘り下げが雑で、感情移入できません。各主人公の置かれてる立場とか、意味はちゃんと分かるんですが、説明の尺が足りないですね。アクション部分に結構時間取られているのに、主人公の数も多いので、単純に詰め込みすぎです。売るためにいろいろ要素だけギュウギュウに詰めてしまったという感じ。

そういったおおまかな部分だけでなく、細かいシーンの処理も、もうちょっと別の展開できたんじゃないかな? ここをこうすればこのシーンはもっと盛り上がるのに…と、色々シナリオ修正案考えながら見てしまいます。

CGは良く出来ていますが、今どきならこのくらいは普通。CGは表現としてなんでも出来てしまう代わりに、凝った手作りの特撮ほどの感動もないもの。別にCG否定派ではありませんが、CGを使うならもっと意外性のある映像を作らないと興奮できないですね。ただ、水準は超えてるので悪くはないです。ちゃんと楽しめます。

今回の恐竜は遺伝子組み換えの新種がテーマ。これがあまり良くない。ジュラシックパークは恐竜がテーマの作品で、実在したリアルな恐竜を再現したところが見どころだった。…勿論、リアルな恐竜を想像で作ってるだけなので、新種でも原種でも映像作りは同じだろって話なんですけど、それは作り手側の理屈。一応これがT-REXなんですよーっていうね。実際に居たらこのくらい強い(かもしれない)ですよーっていう、視聴者からすればウソでもそう感情移入するのが楽しい映画。それが、「遺伝子組み換えをつかったボクが考えた最強の怪獣です!」っていう事になると、観てる方としては、「ああ、そうですか…」という感じになってしまう。

あと、友人の子供と一緒に行ったので吹き替え版にしたんですけど、吹き替えの出来がひどいです。声優使ってないメインキャラは棒読みだし、演技指導が雑なので若手声優さんも良い演技できてないです。たぶん流れで適当に収録したんでしょう。年配のベテランの声優さんだけがいい演技してます。ただ、後半は叫び声中心になるからあまり気にならないし、若手声優、俳優さん共に演技そのものもだんだん収録後半で慣れてくるのがわかります。演技そのものは皆頑張ってるんです。…だから特に前半がひどい。…それなら前半撮り直してください。

一緒に行った小学生の子供も、「まぁ普通」という評価。俺もまぁ普通かなと思いました。一応楽しめるようにはできてるので。でも、旧作の出来には及ばないかなぁ…。本当はこっちじゃなくてマッドマックス観に行きたかったんですよねー。かなりいい出来だと話題でした。原稿の締め切りで行けなかった! 後で円盤買いますかね?

■2015年09月06日(日)  デザインとか
オリンピック結構楽しみだったんですが、競技場とか、エンブレムとか、ちょっと揉めてて残念ですね。

佐野さんの問題はいろんな人がツイッターとかでも書いていて、それを読んだりすると俺も思うところがあり、トートバックのパンとか、BEACHとか、メガネとかは完全にパクってると思うんですけど、そもそも最初のオリンピックのエンブレムに関しては、どっちとも言い難いところはあったと思うんですよね。

最初に問題になったベルギーの劇場のやつ、確かに似てるんですよ。これは誰がどう見ても似てる。ただこの会見で佐野さん「全然似ていない」と言ってしまった。それがいけなかった。「これこれこういうプロセスがあって、着想は違うんだけど、結果は似てしまった」そういう言い訳なら良かったと思うんですよね。実際にパクったかどうかはさておきです。大事なのはイメージなんですね。

こういうのって白か黒かはっきりしなくても、グレーってことになれば、それ以上は追求できないものです。でも佐野さんに「似ていない」なんて言われると民衆は「いや、パクリかどうかはさておき、似てるは似てるだろ? 何言ってんだこいつ…」となって、「そこまで変に突っぱねるってことは、パクリやってるなこいつ?」という風に、逆に疑惑を深めてしまう事になるんですよね。

つまり佐野さんが無理に白だと主張したことで、逆に民衆には「これは黒だな」というふうに印象が固まってしまった。そう印象が固まってしまったからこそ、他のデザインに対してネット民に調査されてしまった。結果、トートバックのフランスパン画像の無断転載が発覚してしまった。こうなるともうアウトですね。結果は御存知の通り、デザイン取り下げ。

ではどうすればよかったのか? やはり最初の会見での対応がまずかったですよね。「めっちゃ似ててびっくり!」くらい言うべきでした。そのうえで「でもデザインのプロセスはこの通り、ベルギーのとは違うんです」と、パクリではない理由を説明し、さらに「でも結果的にとはいえ、ここまで似てしまったデザインは、なんだかオリンピックでは気持よく使いにくいですよね?」と、皆の気持ちを代弁するべきでした。これはみんなが一番思っていたことですから、これを言えば逆に味方が増えたかもしれなかったです。

実を言うと、エンブレムがパクリかどうかというのは、誰も真相をそこまで気にしてないんです。ただ、ケチが付いたものをなんとか下ろしたかった。それが民衆の求めるものだった。パクリも事実であれば問題だけど、それ以上に、「そもそもこのデザインを使いたくない」という気持ちありきなんですよ。デザイン自体が人気あったかというと、低かったですし。これも大きい。

結局こういうのはイメージが大事なんです。デザイン自体のイメージではなく、それを作った人や、周りの対応。そういうイメージです。選考委員も「商標に問題がないので、そのまま使う」なんて言うべきではなかった。全員空気が読めない人ばかりだったというのが残念でした。まぁしかし、佐野さんは普段から色々パクリをやっていたようで、なるべくしてなったという結果ではありましたが…。

次のデザインはどうなるかわかりませんが、またパクリと言われるのが怖くて新しいデザインを作るのを尻込みしている人が居るという話ですが、大事なのはデザインの発表ではなく、また似ているものが出た時の対応のほうです。そこが分かってないと、また問題を起こすし、逆にそこが分かってれば、いくらでも切り抜ける事ができると思うんですよねー。

似たものが出たらまた取り下げればいい。似た理由がパクリでなければそれでいい。何かに似てないものができたらそれで行けばいい。それだけですよね。

下の画像はただの悪ふざけです。ごめんなさい!
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